2010年02月24日

内定辞退は法的に問題ありますか?

Q.私は、複数社から内定をもらっているのですが、
  内定を辞退することについて、法的に問題はありますか?




法的には、問題ありません。

労働契約関係が成立した後でも、
労働者は労働契約をいつでも解約することができます。

原則として、期間の定めのない雇用契約は、
2週間の予告をすれば、いつでも解約することができます。(民法627条1項)

つまり、労働者の辞職の自由は最大限保障されており、
内定段階についても同様のことがいえます。


ただし、1社に絞り込むために、入社ギリギリまで引き延ばして、
残りの会社を辞退するという行為は、会社に迷惑がかかることですので、
望ましいことではありません。

また、そのような行為によって、実際に会社に損害をもたらした場合は、
辞退者に対して賠償責任(民法709条)が認められる可能性もありますので、
慎重に考えることは大切ですが、社会のルールとして、
できるだけ迷惑となる行為は避けた方がよいでしょう。

  
タグ :内定辞退


Posted by ひめじキャリア勉強会  at 22:31Comments(0)社労士和田健の若者労務ステーション

2010年02月17日

<就活>廃止論

昨今の不安定な経済情勢も手伝ってか
企業側は採用を手控える傾向にあります。
就職先がなかなか決まらない親子さんの声も聞こえてきます。

このような中、本日は、就職活動中の学生さんはもちろん、
採用担当者側の方や採用を支援される方にも参考になる本がありましたので
ご紹介させて頂きます。


『学生の就職支援と企業の採用支援を行う(株)ジョブウェブの社長、
佐藤孝治さんによる「<就活>廃止論」』


現在の就職活動と採用活動に疑問を持った著者が、
新しい時代の採用活動を提案している本ですが、
学生さんに参考になりそうな点をピックアップしてみました。


●「いい人材」は全体の5%

学生が就職活動に苦戦している理由は、
新卒学生に対する求人が少ないからではない。
企業が採りたいと思う学生が少ないからである。

世の中の平均値が売り手市場であろうと買い手市場であろうと、
常に素晴らしい人材を惹きつけて採用し続けている会社が存在する。
同じく、世の中の平均値が売り手市場であろうと買い手市場であろうと、
常に多くの企業から来てほしいと言われる学生が存在している。

(参考)
第26回ワークス大卒求人倍率調査(2010年卒)


●就職活動には<ステップ0>がある

いわゆる就職活動のイロハとされる自己分析とか、
エントリーシートの作成とかいった具体的な活動を<ステップ1>とすれば、
それを始める以前の「経験と学びによって人間として力を高める」という
段階が<ステップ0>である。

●企業が思わず「採用したい」と感じる人材

「お客様を幸せにする付加価値を生み出し、利益をあげることに貢献できる人」

企業が求める人材は、「自分で考えて行動できる人」
・自分の頭で考えて行動できる人
・地頭がよくて頭の回転が速い人
・クリティカルシンキングができる人
・クリエイティビティの高い人
・ものごとを正しく理解し、見透す力がある人
・ものごとをよく考えており、自分なりに意見をもっている人

「コミュニケーション能力の高い人」
・人の話を聞き、自分の経験と知識を踏まえて、的確に質問ができる人
・自分と他者の感情を知覚し、自分の感情をコントロールできる人
・自分に自身を持っていながら謙虚さが感じられる人
・心に秘めた志があり、愛嬌がある人
・ホスピタリティーが高い人


企業が求める人材の共通点を知ることができる指標として
活用してみては?
<参考>
厚生労働省 就職基礎能力


●出現率5%の優秀人材になる方法

PDCAを常に繰り返し、自分の行動原理を明確にする。

PLAN:こうしてみようと考える(仮説をたてる)
DO:やってみました(実際に行動する)
CHECK:結果はどうなった?(結果の検討)
ACTION:じゃあ、こう変えてみよう(改善)


就職活動とは、うまく活用すれば
短期間で人間的に大きく成長することができる素晴らしい機会である。


  
タグ :就職活動


Posted by ひめじキャリア勉強会  at 08:00Comments(0)社労士和田健の若者労務ステーション

2010年02月10日

新卒者体験雇用事業について

2月1日より、就職先が決まらないまま卒業された方を
対象にした「新卒者体験雇用事業」が施行されました。


【新卒者体験雇用事業とは?】

就職が決まらないまま卒業された方を対象に、
1ヶ月間の体験的な雇用を通じて、希望職種の選択肢を広げるとともに、
仕事をする中でその職種や職場の理解を深め、
その後に正社員に移行することを目的とするものです。


【体験雇用事業の対象となる方】

・平成21年10月~平成22年9月末までに卒業した方で、
 就職先が決まっていない満40歳未満の学生・生徒等

・ハローワークに求職登録を行っている方


【体験雇用の内容】

・体験雇用の期間は? 
  体験期間は、卒業日の翌日以降31日間です。
  ※中学生は4月1日以降。

・体験雇用期間中の身分は?
  体験雇用期間中は有期雇用契約を締結します。

・体験雇用期間中の労働時間、賃金は?
  体験雇用期間中の労働時間は、原則として、
  事業所の通常の労働者の労働時間と同程度です。

・体験雇用を終了すれば必ず正規雇用される?
  事業所の担当者と相談のうえ定めた
  「正規雇用に移行するための要件」を満たせば、
  正規雇用に移行することとなりますが、
  事業所の求める要件に達しなかった場合など、
  正規雇用に移行できない場合もあります。


就職が決まらないまま卒業された方はもちろんのこと、
新卒者の採用を考えている会社は、検討してみてはいかがでしょうか?  
タグ :新卒者


Posted by ひめじキャリア勉強会  at 08:00Comments(0)社労士和田健の若者労務ステーション

2010年02月03日

内定取消はどのような場合に認められるのですか?

Q.なるほど。内定は労働契約なんですね。
  しかし、どうしても内定の取消を余儀なくされた場合、
  例えば万一、内定後に業績が悪化した場合は、内定取消は可能でしょうか?
  また、どのような場合に内定取消が認められるのでしょうか?






内定取消が認められる場合とは、「採用内定当時知ることができず、
また知ることを期待できないような事実があって、
それを理由に内定を取り消すことが客観的に合理的であり、かつ、
社会通念上相当であると認められる場合」です。




まず会社側は、
内定から就業開始日までの間における不測の事態が生じた場合に備えて、
内定者へ渡す内定通知書や誓約書などに、
内定取消の事由を具体的に記載しておくことが必要となります。


例えば、内定取消事由は次のようなことが考えられます。

(1)提出書類に虚偽の事実を記入した場合

(2)就業開始日までに卒業できなかった場合

(3)ケガや病気などによって、正常に勤務できなくなった場合

(4)内定時に約束した研修に、正当な理由なく参加せず、
  または、レポートを提出しなかった場合

(5)内定時には想定できなかった経済情勢の
  急激な悪化によって人員削減を余儀なくされた場合

(6)その他、当社社員として適当でないと
  認められる言動があった場合


ただし、内定通知書や誓約書に記載されている内定取消事由に該当すれば、
すべて認められるわけではありません。
内定者の責任の有無や重大性、社員としての不適格性などを
総合的に判断する必要があります。



また、ご質問の業績悪化による内定取消しの場合は、
整理解雇と同様に判断する必要があります。

つまり、

「本当に内定取消の必要性はあったのか?」

「内定取消を防ぐために最大限の努力はしたのか?」

「Aではなく、なぜBの内定を取消すのか?」

「内定者の理解を得るために十分に説明をしたのか?」

これらを総合的に判断する必要があります。



最悪の場合は、損害賠償請求されるというリスクも考えられますので
内定の取消は慎重に検討することが必要でしょう。



【関連記事】
内定には法的にどのような意味があるのですか?  
タグ :内定


Posted by ひめじキャリア勉強会  at 08:00Comments(0)社労士和田健の若者労務ステーション

2010年01月27日

内定には法的にどのような意味があるのですか?

Q.私は、若者(株)の採用担当者ですが、採用内定を出すという行為は、
法的にどのような意味があるのでしょうか?




内定とは、会社側の解約権(実際に働き始める入社日以後とは
異なる特別な解雇権)が留保された労働契約のことです。


労働契約も、普通の契約と同じように、
「申込み」と「承諾」があれば成立します。

どのような行為を「申込み」や「承諾」と評価するかは、
ケースバイケースですが、
会社側が新卒者に対して内定通知書を送付することは、
会社側の社員募集に対する応募(労働契約の申込み)に対して
承諾したこととなり、労働契約が成立したといえます。

ただし、内定時から入社日までの間に事情が変わること
(新卒者の場合、就業開始日までに卒業できなかった場合など)も
考えられますので、会社側に解約権が留保されていて、
内定通知書や誓約書に記載された内定取消の事由が発生した場合には、
内定の取消を行うことが可能となります。


最近では、内定取消による問題が生じていますが、
内定を労働契約と解せば、内定取消は一般の解雇と同程度のもの
であるという認識が会社側にあまりなかったためかもしれません。
  
タグ :内定


Posted by ひめじキャリア勉強会  at 08:00Comments(0)社労士和田健の若者労務ステーション

2010年01月20日

採用担当者1,000人調査「2010年採用のポイント」

厚生労働省と文部科学省は、
平成22年3月大学等卒業予定者の就職内定状況等を調査し、
平成21年12月1日現在の状況をとりまとめました。


この資料によると、
大学の就職内定率は全体で73.1%となり、
調査開始以来、過去最低となりました。
(高校新卒者の就職内定率:68.1%


今日の厳しい経済情勢によって、
多くの企業が採用を控えていることがよく分かります。


では、このような中、
現在、企業の人事・採用担当者は採用・教育に関して
どのような点に関心があるのでしょうか?


(株)インテリジェンスが全国の採用担当者1,000人に
インターネットリサーチをしたところ、

1位:より良い人材を採る方法(57.4%)
2位:人件費について(49.8%)
3位 従業員全体のモチベーションUP(46.8%)
4位 従業員全体のスキルUP(39.4%)
5位 リーダー層の育成(39.1%)
6位 従業員の育成方法(38.7%)



(採用担当者の主なコメント)

「人件費の関係で、質の良い採用を行い
少数精鋭での運用を行わないと厳しい」

「人件費の削減を余儀なくされる中、
採用の量を抑制しつつ人材を育成する手腕が問われている」

「即戦力で正社員に準じたレベルの仕事をしてもらいたいが、
応募者の意向との間に潜在的なギャップを感じる」

「優秀な有資格者をどう確保するかが、今後の課題」

「当社の社風に共感できる人を採用し、
教育に力を入れることで業績UPを図る」

「今はスキルがなくても、仕事を通して
自己を高めようとする目的意識や意欲のある人を採用し、
長期的に雇用したいと思っている」など。

2007-08年に目立った
「より多く」「より早く」といった要望よりも
「より良い人材」といった質を求めるニーズが
高まったといえます。


採用者側は、応募者に対して
「具体的にどのような仕事をしてもらいたいのか?」
「具体的にどのような経験や資格を必要としているのか?」
「具体的にどのような人材がほしいのか?」などについて
より明確にすることが大きなポイントと考えられます。


そして、3位~6位はすべて教育関連が占めていることから、
積極的な人材教育・育成のチャンスと前向きに捉えている
担当者も少なくないようです。



【参考リンク】
厚生労働省
平成21年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査
平成21年度高校・中学新卒者の就職内定状況等
㈱インテリジェンス(アンレポート)
  
タグ :2010年採用


Posted by ひめじキャリア勉強会  at 22:27Comments(0)社労士和田健の若者労務ステーション